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2011年7月28日 (木)

幸村精市 miracle prologue tour 2011 ライブレポート

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miracle prologue tour 2011 幸村精市、待望の全国ツアー、Zepp Nagoyaを皮切りにZepp Tokyo、大阪なんばHatch、横浜BLITZと、四都市のライブハウスを巡る『miracle prologue tour 2011』が開催された。

ツアー二本目、6月15日、Zepp Tokyo。開演前から会場は熱気に包まれていた。
何せ、「テニスの王子様」の中でも人気を誇る「立海大附属中学校・男子テニス部」の部長「幸村精市」の初の単独ライブなのです、そりゃ興奮しないで、というのが無理と言うもの。
幸村は、2009年からの三年間、毎年自身の誕生日の3月5日に、ミニも含めたアルバムを発表している。今回は、シングルを含めた数々の幸村精市楽曲を引っさげての満を持してのライブなのだ。
ツアーグッズにもなっている幸村とおそろいのエメラルドのヘアバンドをするものあり、中には愛に溢れた手作りの幸村部長のTシャツを身につける者あり。数々のアーティストがライブを行って来たZepp Tokyoのステージの幕を前に、スタンディングのオーディエンス達でフロアは埋め尽くされ、これからのライブへの期待を高めていた。

ライブレポート01 定刻の19時、静かなSEが場内に響き始め、まるで全国大会決勝戦のようなシリアスなメロディは徐々に激しさを増し、場内のボルテージをますます上げ、「さあ、始めようか」という幸村精市の掛け声から、ライブの幕は切って落とされた。
1曲目は『エメラルドライン』。自身のトレードマークともなっているエメラルドのヘアバンドのことを歌った爽やかな青春ソング。一気に盛り上がったオーディエンスは一斉にペンライトを振りかざす。
「幸村精市、miracle prologue tourへようこそ!今日は体調がいいんだ!」という幸村の挨拶に、客席は堰を切ったかのような歓声を上げる。
幸村が中学二年生の秋から中学三年生の夏まで、入院生活を余儀なくされていたことを、オーディエンスは皆知っている。良かった!など安堵の声もちらほらと聞こえて来た。
でもそこは幸村「でも油断しないで!『後ろにも目を』」と、客席に気を引き締めさせ、2曲目へ。“神の子”幸村精市を体現したようなシリアスな楽曲にシビれる。
しかしMCとなれば切り換って、柔らかな幸村が登場する。この切り替えが実に見事だ。
「オレ、今日はたっくさん歌うから、みんな付いて来てね!」
「みんな動きが良すぎるよ!」
「みんなでステキな夜にしようね!」
オーディエンスへの気遣いにも抜かりは無い。もちろん盛り上がる客席。続いて
『ダリア』
『bottom line(ボトムライン)』
『Route→MYSELF』
の3曲を一挙に熱唱。
幸村の日常を鮮やかに切り取った楽曲の作詞は、永井幸子の手によるものだ。
また、今回のツアーではバックの「ミラクルバンド」を引き連れているため、楽曲自体が活き活きとして、幸村の歌声を際立たせている。

ライブレポート02 ライブレポート03
一気に幸村ワールドへ引き込んだ後のMCは、
「ありがとう!ちょっと・・・水分を取らせてもらってもいいかな?」
勿論オーディエンスが許さない訳が無い。
すると、「苦労かける・・・」
この幸村の数々の名セリフを織り交ぜたMCには、客席は始終笑顔にならざるを得なかった。
こうもライブ回しが上手いことにも驚きだが、そこは“神の子”たるもの。

そして「あのさ、もうちょっとみんなの声聞いていい!?常勝立海コール、ここでやってもいいかな?」
と、オーディエンスに声を求めての、会場全体での“常勝立海コール”は圧巻だった。
今年1月末に日本武道館で開催された『テニプリフェスタ2011 in 武道館』にて披露された振り付けバージョンを、
「何回やろうかな・・・じゃあオレが良いって言うまでやってくれる?」
と、客席に振るも、完璧なコールを返すオーディエンス達。この“みんなでライブを楽しんでいる”という一体感がたまらなくいい。
こういう一体感を生で感じられるのが、やはりライブの醍醐味である。つくづく“幸村精市”がライブツアーをやってくれて良かった。

「オレって(テニス)とても強いじゃない?でもさコートの外に出ると趣味も、パジャマの柄も・・・ギャップがあるよね。そのギャップがいいよね!次の曲は、幸村が今、一番欲しいものの歌です」
と『ルノワールの画集』へ。少年の憧憬を微笑ましく歌い上げた後は、かつて幸村が経験した絶望をテーマにした『宣告』、そして“常勝”立海テニス部が全国大会決勝戦で敗退した後の気持ちを歌った『プロローグ』。もちろんこれらの作詞も永井幸子である。

ライブレポート04

これらの楽曲に総じて言えるのは、「幸村精市がどんな人なのか?」という彼のひととなりが、聴くことに拠ってジグソーパズルのピースがはまって行く様に、浮かび上がって行く、ということだ。楽曲に力を与えている一端は、歌詞にあることは間違いない。
その力を証明するかのように、幸村はMCで語った。
最初に『ラストソングス』というアルバムを出した時は、永井さんが本当に“幸村精市”としては最後だ、と思って、それは一生懸命アルバムを作った、と。
でも、実際はそれでは終わらず、今年に至るまで、毎年誕生日にアルバムを発表し、三年目は何と『プロローグ』というアルバムを引っさげての全国ツアー開催まで辿り着いた。
「これってさぁ凄いことじゃない!?だってさぁ始まるんだよ!?まだまだこれからって言うことだよね!」
心の底から嬉しそうな幸村。それは彼の楽曲に力があり、だからこそファンに愛された結果に他ならない。
「ホントに長い間、沢山の人がテニプリを愛してくれてるから、もしかしたらもっともっと凄いミラクルが起こるかも知れないよね!」
多くのテニプリファンへ、これからを期待させる幸村の言葉。これは嬉しい。

続いて、愛と言えば、と『愛の歌2010』を歌い、そして、怒涛の中盤戦、ゲストコーナーへ。『突撃!増刊プロテニス[まさかの幸村精市VS木手永四郎編]』。
名物楽曲である『突撃!月刊プロテニス』が、ライブで装いも新たに[まさかの幸村精市VS木手永四郎編]として披露された。もちろんゲストは月刊プロテニス編集部の芝砂織と、沖縄・比嘉中男子テニス部の中学テニス界に“殺し屋”として名を馳せる木手永四郎である。賑やかな掛け合いソングによる“神の子”と“殺し屋”の一触即発のバトル勃発に、場内の熱気は急上昇。

芝さんの舞台上での生レポートによると、幸村と木手自身も、このバトルは意外だったようだ。
「まさかこんなに幸村と木手が仲悪いなんて・・・」
「そんな設定もないからね!?あんまり話したことないよな?」
「何でこんなに牽制し合ってるのか・・・なんかさぁ中学生同士が、『お前、どこ中だよ?』」
「比嘉中だよ!」
「正に“神の子”と“殺し屋”でエラいことになっております!」
そこに突っ込む木手。
「・・・思い出して頂きたいんですけど、中学生ですから!」
楽しいMCに盛り上がっていると、
突如「HAPPY BIRTHDAY」を奏で、歌うミラクルバンドと幸村。ステージ上にはバースデーケーキ登場。芝さん役・並木のり子さんと木手役・新垣樽助さんの誕生日が近い、ということでサプライズが執り行われたのだ。

しかし、真のサプライズはここからだった。
ケーキを運んで来たスタッフの中に、なんと大阪・四天宝寺中学校テニス部の千歳千里が紛れていたのだ。
当日の四時間前に出演が決まった、とのことで、幸村にも知らされていなかったこのダブルサプライズに、ステージ上も客席も大いに沸いたのだが、普段顔を合わせないような面子の集合に、なんでこのゲストなんだろう、と木手と千歳の二人は疑問を呈し始めた。
それに対し、
「みんな仲間じゃん!」
と呼びかける幸村。しかし、
「仲間っていうけど 、『ボールは消えたりしない』とか言われても・・・」
とやや色をなした様子の千歳。するとさらりと、
「ボールはねぇ、決して消えたりなどしない」
と決めセリフを口にする幸村は、流石、ライブの主役というべき格好良さであった。
ついでにステージ上では、芝さんに、月刊プロテニスでこの三人の特集を組んで欲しい、というお願いも。是非実現して欲しいものである。

そして持ち歌『恋だなう』のさわりをアカペラで歌った千歳、幸村と縮地法を使った鬼ごっこで遊ぶ約束をした木手、芝さんがステージを去り、再び「幸村オンステージ」へ。

「テニスの王子様に関わる人って、本当に不思議な人ばっかりだよね。立海もそうだけどさ。立海の人たちのことを思い浮かべてみて!」
と、「プリ」「アデュー」「シクヨロ!」「ファイヤー!」 「あんた、潰すよ・・・」「と、お前は言う」「たるんどる!キェーー!」・・・個性に満ち溢れた仲間達の決め台詞を順番に紹介し、
「この人たちがいるから、今、オレはここに立っています」
その思いを込めての『夢の続き』は、一緒に高みを目指した仲間達への熱い思いが詰まっていた。
間髪入れずに『夢の続きⅡ』。“立海大附属中テニス部部長・幸村精市”としての生き様を露わにし、そして今後の立海テニス部の面々の活躍を祈らずにはいられない楽曲。オーディエンスは胸を熱くしたであろうが、それ以上に熱く燃えていたのは、幸村本人だったに違いない。彼の夢は、この二曲を連続で歌うことだったそうだが、それが叶った、と感極まったいい顔をしていた。

続いて『ロング・グッド・バイ』。もう、これは青春時代を生きている、もしくは生きたことのある人なら、ただ黙って聴いて欲しい楽曲だ。青春を大事に生きて欲しい。
『驟雨』は、前向きな成長ソング。
ここまでの怒涛の胸を締め付けられるようなSET LISTを締めくくる曲は、『That‘s another』。号泣モノである。また、バンドの演奏がいい。歌詞の切ない感情を波に乗せるように、打ち寄せてくる。やはりこの曲も、ライブで聴けて本当に良かったと思わせられた。

オーディエンスの心を熱いもので満たした後、幸村とミラクルバンドは一端退場。
場内はまたしても「常勝立海大!」コールで埋め尽くされる・・・。本気でアンコールを望めるライブほど幸せなものはない。
ライブレポート05

立海カラーである山吹色のツアーTシャツに着替えた幸村とバンドメンバーも「常勝立海大!」とコールをしながら再登場。
「アンコールありがとう!ずっと“常勝”って言ってくれてたんだね!」
そしてアンコールの1曲目『真実』を歌い上げる。一番最初に“幸村精市”として歌った歌ゆえに、この場で歌える事が嬉しい、という彼の言葉に、頷くオーディエンスたち。この楽曲発表当時は、幸村はまだ病院生活を余儀なくされていた。
「今はこんなに元気になりました~!イェー!センキューZepp Tokyo!」
テンションも最高潮で本当に元気な幸村に、大きな声援を送る客席。それに応えて、
「まだみんな飛べる!?じゃあさぁ、この歌知ってるかなぁ?今立海で流行ってるんだけど、柳生の歌、歌っちゃうね!」
とチームメンバーの“紳士”こと柳生比呂士の持ち歌『LASER BEAM~Long version~』を熱唱。
ゲストの木手、芝さんも再登場しての「レーザービーム!」の大合唱、レーザービームの振りで、右に左に振られるペンライト、そして「死角はない・・・」最後の決めセリフをそれで締められた日には、オーディエンスのボルテージが最高潮に達したのは言うまでもない。
ライブレポート06

そして本当に最後の一曲、『Greeting voice』。明るくテンポの良いバースデーソングで、『LASER BEAM』からの勢いを止めぬままに大団円を迎えた。

「みんな!最後にもう一回飛ぼう!本当にありがとう!」
全力を出し切った荒い息そのままに、幸村はバンドメンバー・ゲストと共に手を取り合って挨拶した。
惜しみなく送られる歓声と拍手。
「今日は本当に来てくれてありがとう!今日のみんなに死角はない!!またね!」
何かが胸の奥にこみ上げてきて、目頭が熱くなる、そんなライブは21時12分、幕を閉じた。

このZepp Tokyoで「幸村精市に死角なし」そう言ってしまえるほどのライブパフォーマンスを見せてくれた。
毎回違うゲストを迎えてのライブは、きっと毎回それぞれに魅力あるものになったに違いない。
彼の言葉通り、今回のライブツアーの後にも、何か素敵なミラクルが起こることを祈りたい。
また次に生身の“彼”に会える日も、きっと来るだろう。

また、それと共に『テニスの王子様』という作品の持つパワーにも圧倒されたことも記しておきたい。

(C) 許斐 剛/集英社・NAS・テニスの王子様プロジェクト

【SET LIST】
1.エメラルドライン
2.後ろにも目を
3.ダリア
4.bottom line(ボトムライン)
5.Route→MYSELF
6.ルノワールの画集
7.宣告
8.プロローグ
9.愛の歌2010
10.突撃! 増刊プロテニス[まさかの幸村精市VS木手永四郎編]
11.夢の続き
12.夢の続きⅡ
13.ロング・グッド・バイ
14.驟雨
15.That's another

アンコール
EC1.真実
EC2.LASER BEAM~Long Version~
EC3.Greeting voice

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